インプレッサG4(GK6)に搭載されているSUBARU純正ビルトインナビ「CN-LR820D」。
助手席側を見ると、ナビから伸びているケーブルの先に「AV IN」と書かれた3.5mmジャックがあります。

一見すると普通の3.5mmステレオミニジャックに見えます。
3極AUXケーブルを接続してみたところ、一応音は出ました。カーナビはVTRに指定して、ですが。
しかし、片側のスピーカーからしか音が出ません。助手席だけしか聞こえない。。
調べてみると、このAV INは普通の3極ステレオ入力ではなく、映像信号も含んだ4極3.5mm端子っぽい。そこで今回は、CN-LR820DのAV INへステレオ音声だけを入力するための専用ケーブルを製作してみます。
なぜBluetoothではなくAUX接続?
そもそも、2026年になってなぜAUX接続なのか?ですが、地味に困る問題があるからです。
現在、車内では2台のスマホを使用しています。
余っていたPixel 5を運転席右側に設置してナビアプリ専用機として使用し、メイン端末のPixel 8aからWi-Fiテザリングで通信させています。
一方、音楽はPixel 8aから車載ナビへBluetoothで送っていました。
ところが私の環境では、Wi-FiテザリングとBluetoothオーディオを同時に使用すると、音楽が頻繁に音飛びすることがありました。
Pixel 5のナビ音声はPixel 5本体から出したいため、Pixel 5を車載ナビへBluetooth接続する方法は使いたくありません。
そこで考えたのが、
Pixel 8a → USB DAC → 3.5mmアナログ出力 → CN-LR820D
という有線接続です。およそ令和の世に似つかわしくない接続ですが、これならBluetoothを使用せず、Pixel 8aの音楽だけを車のスピーカーから再生できます。
CN-LR820DのAV INに普通の3極ケーブルを挿してみる
まずは何も考えず、USB DACから普通の3.5mm 3極ステレオケーブルをAV INへ接続してみました。
結果はイマイチ。
音は出るものの、片側からしか聞こえません。
さらに接続状態によってはPixel本体側から音が出ることもあり、どうやら一般的な3極AUX入力とは様子が違います。しかもカーナビ側にノイズのようなものが表示されるときも。。
原因を調べると、この「AV IN」は音声だけではなく、コンポジット映像+ステレオ音声を1本にまとめた4極端子でした。
3.5mmだからといって、普通のAUX端子とは限らないようです。
3極ステレオと4極AV端子ではピン配列が違う
一般的な3極3.5mmステレオプラグ(TRS)は、先端から次のようになっています。
| 接点 | 信号 |
|---|---|
| Tip | L(左音声) |
| Ring | R(右音声) |
| Sleeve | GND |
つまり、
L / R / GND
の3本です。感覚的に言うなら、左、右、GNDですね。マイクなどなければこれで終わり。
一方、今回CN-LR820Dで使用するAV INは、映像信号を含む4極端子です。
今回使用する配列は、プラグ先端から、
| 接点 | 信号 |
|---|---|
| Tip | L |
| Ring 1 | VIDEO |
| Ring 2 | GND |
| Sleeve | R |
となります。
つまり、
L / VIDEO / GND / R
です。
普通の3極ケーブルとは、物理的な接点位置がまったく異なります。
音声だけを使用したい場合、VIDEOは必要ありません。
したがって必要な変換は次のようになります。
3極 TRS 4極 TRRS
Tip L ──────────────── Tip L
Ring R ──────────────── Sleeve R
Sleeve GND ──────────────── Ring 2 GND
これなら映像入力を使用せず、左右の音声とGNDだけをAV INへ入力できます。
まずはネジ端子式4極プラグで試作する
いきなり4極プラグへはんだ付けしてもよいのですが、ピン配列を間違えていた場合に面倒です。
そこで今回は、3.5mm 4極プラグの各接点をネジ端子で取り出せる変換コネクタをポチりました。
ネジを緩めれば簡単に配線を変更できるため、こういった特殊なピン配列を試すには非常に便利です。最終的には小型の4極プラグへ交換する予定ですが、まずはこれを実験用のブレークアウトとして使用します。

不要な3.5mm AUXケーブルを切断
3極側は、手元にあった不要なAUXケーブルを利用しました。片側を切断します。

細い。とにかく細い。
一般的な被覆線を想像していましたが、実際には非常に細いエナメル線が3本入っていました。
(100円なので文句言っちゃいけない)
テスターの導通モードを使い、3極プラグのTip、Ring、Sleeveと各線の対応を実測しました。
今回使用したケーブルでは、
| 3極プラグ | 線色 | 信号 |
|---|---|---|
| Tip | 緑 | L |
| Ring | 赤 | R |
| Sleeve | 銅 | GND |
となっていました。
ケーブルによって線色は異なる可能性があるため、製作する場合は必ずテスターで確認してください。
極細エナメル線を処理する
今回のケーブル内部には、普通のビニール被覆線ではなく極細のエナメル線が使われていました。
そのままネジ端子へ固定しても、エナメル被膜によって導通しません。
そこで線の先端だけフラックスを付け、はんだごてで一気に予備はんだしました。

はんだが乗った部分は硬くなるため、根元まで広範囲にはんだを染み込ませると、柔らかい部分との境界に応力が集中して折れやすくなります。
そのため、今回は接続に必要な先端部分だけを処理しています。
4極ネジ端子へ配線する
今回使用したネジ端子式4極プラグをテスターで確認したところ、プラグ先端から、
L / R / V / GND
という配列でした。
しかし、CN-LR820Dへ入力したい配列は、
L / VIDEO / GND / R
です。
そのため、端子に書かれている文字どおりには接続しません。
実際の接続は次のようにしました。
| 4極変換端子の表記 | 接続する線 |
|---|---|
| L | 緑(L) |
| R | 未接続 |
| V | 銅(GND) |
| GND | 赤(R) |

見た目はなかなかのDIY感です笑
ただし今回はあくまで試作版。(という言い訳)
まずこの状態で実車動作を確認し、ピン配列が正しいことを実証します。
インプレッサG4で実車テスト
試作した変換ケーブルを、インプレッサG4(GK6)のCN-LR820Dへ接続します。


お、鳴った。
検証結果
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 左チャンネル | OK |
| 右チャンネル | OK |
| ステレオ再生 | OK |
| Wi-Fiテザリング併用 | OK |
| ノイズ | 多分OK |
動作確認後は小型4極プラグで安定版を作る
ネジ端子式プラグは配線を自由に変更できるため、実験には非常に便利です。
一方で、常時車内で使用するには少々大きく、極細線が露出している部分の耐久性も気になります。
それにかっこ悪い。。
そこで次ははんだ付け式の小型4極3.5mmプラグを使用して安定版を製作します。

いろいろ省略して完成です。3極-4極変換ケーブルですね。

実験費込みで1000円くらいかかりましたが、概ね満足です。
まとめ
インプレッサG4(GK6)の純正ビルトインナビ「CN-LR820D」にあるAV IN端子は、見た目こそ普通の3.5mmジャックですが、一般的な3極AUX入力とは異なります。
映像を含む4極AV端子のため、普通の3極ステレオケーブルをそのまま挿しても正常なステレオ入力にはなりません。
(今どきいるかわからないけど)インプレッサG4で困った人がいれば、参考にしてください。
